蔵書紹介 創造神話と四鷺野の伝説
今日はまず、『創造神話』に焦点を当てていこうと思う。
創造神話はその名の通り、世界が出来上がるまでの話なんだが――
――創造神話 美郷による要約
創造神は孤独だった。
創造神は変化を求め、世界を一つ創ろうとした。
しかし、世界に何が必要か創造神は知らなかった。
だからまずは、必要なものを教えてくれる存在を創った。
創られた想像者は自らを想像神「ヴェルノエル」と名乗り、創造神に「サンジュール」と名を付けた。
アイデアの基礎は他の世界より持ってきた。
そうして出来た世界は後に【神創界】と呼ばれるようになった。
――四鷺野伝説
神は秩序を求めた。
神は神創界に【楽園】を創りあげた。
神はそこを交流の場であり心に余暇を与え楽しむための場所にしようとした。
その目的の通り、人々は楽園の内外を行き来しつつ暮らすこととなった。
神は平和を近くで見守っていた。人としての名を使いつつ、楽園の長として一緒に生活していたらしい。
神は望む者に力を与えた。その過程で人と似たような姿になるものもいた。
楽園には神と呼ばれる者が三柱居たらしい。
創造神、想像神。そして破壊神がいた。
破壊神は悪しきものを追い払う目的で想像神が造らせたものである。
だが実際に破壊神が破壊をするところを見たものは居なかったとか。
平和が続いていた楽園だったが、一度だけ楽園が崩壊しそうになったことがある。
その時に想像神が初めて用いたのが「弾幕勝負」である。
イマジナリーな弾を使ってお互いの実力を推し量り勝負することは争いのほか、娯楽にも用いられた。
また、他の世界にも伝わり、実力を推し量る道具として幅広く使われることとなる。
実力を推し量る道具だった弾幕はいつしか人々の娯楽の道具へと変化していった。
それを見た想像神は、神創界や他の世界も含めた人々を【楽園】のとある一か所に集めた。
そして人々の前に現れこう言い放ったのだ。
「素質のある者たちに直々に神の力を授けよう。さあ、争え!」
各地から集まったたくさんの力自慢による大会は最終的に四人まで減った。
四人の力は揃いも同じで、決着はつかなかった。
神はその四人に力を授けた。
神は最初から素質を持った者たちを見抜いていたのである。
その上で娯楽目的と見せかけ人々を集めていたのである。
それは【楽園】を神と共に守らせる責任を裏付けさせるためでもあった。
自らの他とは違う力を前にしてそれを自らより弱き者を守るために使える。
神はそう四人の心に訴えたのだろう。
秘儀とされる四つの力は時空を守り、神への信心を忘れぬために用いられるとされている。
四人は話し合い、自らの名をそれぞれの色や特徴をもとに青鷺野、白鷺野、朱鷺野、烏鷺野とした。
想像神の人としての名字が「鷺野」であったことから、神の力を人として授かったとも言えるだろう。
これが四鷺野の誕生である。
ちなみに、その四人が四鷺野となった後でも周りは特に態度を変えなかった。
神と近くなっても友達は友達。それが礼儀だったからだ。
この際、他の世界を巻き込んだことから神は他の世界とも手を組み同盟を創り上げた。
その際決まったのがこの世界同盟のことを「郷邑」と呼び更なる発展、平和の維持に向け互いに協力する事であった。
命名は神によって行われた。神は名づけの理由をこう発言していた。
「世界を導くに相応しい名前にした」と。