千鶴バースデー!

※昔ファンボックスで公開していたもののリメイクになります。

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ここは郷邑の街。

紅葉や銀杏の葉も色づいて秋めいた街の朝、何やら騒がしい家が一つ。

「全世界コッペパン協会」防衛大弾頭、朱鷺野 千鶴の家である。

千鶴「……ふぁああ。今日は目覚まし鳴ってないね。壊れたかな?」

千鶴「……は、八時?」

2本の針がついた目覚ましを手に取ると千鶴は深いため息をついた。

?「おっはよ~!! 元気してる?」

千鶴「あんたさあ。目安針取って何に使うつもり?」

涼「起きる時間の調整」

千鶴「そうですか」

千鶴「っていうか、家主が寝てる間に家に入るのは泥棒と一緒だと思わないの?」

涼「何も盗んでないからセーフ」

千鶴「針盗んでるが?」

涼「……返すからセーフ」

千鶴「はあ、それで」

手元の目覚ましから視線を涼の方へやった。

そこには風船でこう書かれていた。

千鶴「ハッピーバースデイ……え?」

千鶴「今日って何日だっけ」

涼「10月10日」

千鶴「誕生日だね」

涼「そうだよ~!! 張り切っちゃった!」

涼「それで、あと一時間ぐらいでみんな来るはずだから、色々準備して」

千鶴「はいはい、分かりましたよ」

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誕生日の歌 歌唱中

千鶴「フー」

パーン!

みんな「誕生日おめでとう!」

千鶴「ありがとうね、わざわざ」

涼「じゃあケーキカットするよ~!!」

涼「そういえば、このろうそく、本数あってる?」

千鶴「あってない」

涼「え~!?」

千鶴「っていうか私、歳数えたことあったっけ?」

涼「確かに、戸籍システム郷邑ないしね……」

こうして、ケーキを食べ終わった後、参加者からプレゼントをもらって誕生日会は終了した。涼はこの会場がプレゼントとだけ言って去って行った。

千鶴「あいつ、片付けしないで帰ったな」

片付け中……

千鶴「あ、あんたさあ……こんなところにプレゼント置かれたって私しか気づかないよ?」

千鶴「それでいいのか。まあ、ありがたく頂戴しますよ」