聖耳官 プロローグ&自機紹介

プロローグ

此処は郷邑の街。

自宅の窓辺で三色団子をくわえながら、窓の外の桜をボーッと眺めている者が一人。
「全世界コッペパン協会」防衛大弾頭、朱鷺野 千鶴である。

千鶴(花見、こんなもんかぁ)

と、団子に寄せていた意識を目の前の桜に移す。

ぼーっとしながら眺めていたところ、桜吹雪の奥にこちらへと向かってくる人影を見た。

その者は窓越しにこっちの姿を確認したようで、そのまま玄関のチャイムを鳴らした。

ピンポーン

千鶴(あ、お客さんだったか)

千鶴「はい、今行きまーす」

ガチャ

扉を開けると、その者の手足が何か触手のようなものであることに気づいた。

千鶴「た、たこ族?」

?「ミミニミニニミ、ササニサハハサ、ボンジョールノ」

千鶴「え、何々? かろうじてボンジョールノなんですけど!?」

?「おっと、翻訳機をつけ忘れていました。今の御無礼お許しくださいませ」

千鶴「え? ええ、それで何を言おうとしたの?」

紫冠「私は聖耳界より来た、斧芋紫冠でございます」

千鶴「で、ここに来たっていうことは、何の依頼でしょう?」

紫冠「聖耳界に来ていただき、わが主である聖都句蛸様に謁見をしていただきたいのです」

千鶴「せいと、くたこ……ね?」

紫冠「ええ、聖都句蛸さまでございます」

千鶴「な、なるほど……それで、なんでこっちから向かわないといけないわけ?」

紫冠「それはもてなす」

千鶴「確かに、それなら仕方ないのかもね」

涼「それじゃ、橋を繋いでおくよ~!」

千鶴「妙に手際がいいわね」

こうして、「聖都句蛸」に謁見するため、千鶴は聖耳界へと向かうのであった……。