黒焔艦 プロローグ&自機紹介

プロローグ

此処は郷邑。
郷邑とは言っても、それがこの地の大きさを決めることにはならない。

郷邑にはいくつもの世界があり、「街」と呼ばれる世界の住宅街には「全世界コッペパン協会」に所属する朱鷺野千鶴の家がある。

千鶴はいつものように起き、赤い髪をセットし、結局残る毛癖。
丈の長い白い服、裏地は朱鷺色である。

「街」にきてからは普通に生活してただけだし、食パンだって食べてるし。
と、砂糖の代わりに牛乳を多めに入れたコーヒーを飲む。

……

ピンポーン

千鶴は呼び鈴の音を聞くと軽く返事をして、玄関へ向かった。

千鶴「ああ、ホーガンじゃないか」

ホーガン「また依頼を持ってきたよ」

ホーガンは街の住人などから出された依頼を千鶴に紹介してくれる、言わば仲介人のような役割である。

ホーガン「今日は協会からの依頼。珍しいよね」

千鶴「協会から? そんなこと初めてじゃないか?」

ホーガン「そう。それで、その内容がね……」

ホーガン「街の東に草原があるでしょ。あそこに黒い船が止まってるんだって。あと、その船の北にも城が築かれてるらしくて……」

千鶴「草原に船?」

ホーガン「そう、怪しいから調べてくれっていう話らしいね」

千鶴「ふーん。調査するかぁー。まず黒い船のほう行ってみるよ」

こうして千鶴は埃のかぶった二丁の拳銃を取り出して、船のある東の草原へ飛んで行った。